2011年10月4日火曜日

ノーベル物理学賞:米教授ら3氏に 宇宙の膨張突き止め

ノーベル物理学賞:米教授ら3氏に 宇宙の膨張突き止め

2011年10月4日 19時10分 更新:10月4日 22時30分
ノーベル物理学賞を受賞する(左から)ソウル・パールマター教授、ブライアン・シュミット博士、アダム・リース教授=ノーベル財団のホームページから
ノーベル物理学賞を受賞する(左から)ソウル・パールマター教授、ブライアン・シュミット博士、アダム・リース教授=ノーベル財団のホームページから
 スウェーデンの王立科学アカデミーは4日、11年のノーベル物理学賞を、米カリフォルニア大バークリー校のソール・パールマター教授(52)、 オーストラリア国立大のブライアン・シュミット特別教授(44)、米ジョンズホプキンス大のアダム・リース教授(41)の3氏に授与すると発表した。遠く にある星が寿命を迎えた時に起きる「超新星爆発」の観測から、宇宙が加速度的に膨張していることを98年に発見した。授賞式は12月10日、ストックホル ムで開かれ、賞金1000万スウェーデン・クローナ(約1億1500万円)の半分がパールマター氏に、他の2氏に4分の1ずつが贈られる。
 超新星爆発の中でも「Ia型」というタイプは、他の星と比べて明るいため、遠くまで精度よく観測できる。
 パールマター氏とシュミット、リース氏のグループは、それぞれにこの現象を望遠鏡で観測した。その明度は、宇宙の膨張により星が遠ざかっているこ とを考慮に入れて理論的に予測した明度より低かった。これらのことから、その星は予測より速く遠ざかっていることになり、宇宙が加速度的に膨張しているこ とが裏付けられた。
 宇宙の膨張には、外向きの大きなエネルギーが必要と考えられる。「ダークエネルギー」と呼ばれるこの未知の存在をつきとめる研究が、宇宙物理学の新しいテーマになっている。【野田武】

 ◇20世紀最大の発見の一つ

 宇宙が誕生した時に急激な膨張(インフレーション)が起きたとの理論を提唱する佐藤勝彦・自然科学研究機構長は「パールマター氏らがこの発見をし た98年当時、宇宙は誕生時にインフレーションを起こした後、膨張の速度が緩やかになったと考えられていた。従来の考えを覆す発見と言え、米サイエンス誌 がその年最大の成果と称賛したほどでノーベル賞は当然だ」と話す。
 高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所の小玉英雄教授(宇宙論)は「彼らの発見を説明するためにはダークエネルギーが必要なことを明らか にした」と研究の意義を説明する。小玉さんは「物理学での20世紀の最大の発見の一つ。新たな物理学の潮流ができ、21世紀の中心的テーマになっている」 と評価した。【河内敏康、安味伸一】

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