ノーベル物理学賞:米教授ら3氏に 宇宙の膨張突き止め
2011年10月4日 19時10分 更新:10月4日 22時30分
ノーベル物理学賞を受賞する(左から)ソウル・パールマター教授、ブライアン・シュミット博士、アダム・リース教授=ノーベル財団のホームページから
超新星爆発の中でも「Ia型」というタイプは、他の星と比べて明るいため、遠くまで精度よく観測できる。
パールマター氏とシュミット、リース氏のグループは、それぞれにこの現象を望遠鏡で観測した。その明度は、宇宙の膨張により星が遠ざかっているこ とを考慮に入れて理論的に予測した明度より低かった。これらのことから、その星は予測より速く遠ざかっていることになり、宇宙が加速度的に膨張しているこ とが裏付けられた。
宇宙の膨張には、外向きの大きなエネルギーが必要と考えられる。「ダークエネルギー」と呼ばれるこの未知の存在をつきとめる研究が、宇宙物理学の新しいテーマになっている。【野田武】
◇20世紀最大の発見の一つ
宇宙が誕生した時に急激な膨張(インフレーション)が起きたとの理論を提唱する佐藤勝彦・自然科学研究機構長は「パールマター氏らがこの発見をし た98年当時、宇宙は誕生時にインフレーションを起こした後、膨張の速度が緩やかになったと考えられていた。従来の考えを覆す発見と言え、米サイエンス誌 がその年最大の成果と称賛したほどでノーベル賞は当然だ」と話す。高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所の小玉英雄教授(宇宙論)は「彼らの発見を説明するためにはダークエネルギーが必要なことを明らか にした」と研究の意義を説明する。小玉さんは「物理学での20世紀の最大の発見の一つ。新たな物理学の潮流ができ、21世紀の中心的テーマになっている」 と評価した。【河内敏康、安味伸一】
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