2011年10月15日土曜日

「クリーンなコンロ」の普及、使う女性説得がカギ=科学者

【ワシントン13日ロイター時事】科学者らは13日、燃焼効率が良く、煙を屋外に排出する「クリーンなコンロ」は世界中で何百万人もの命を救う可能性があるが、そのためには屋内でそれを使って料理に携わる人々、とりわけ女性がカギで、彼らにコンロを受け入れさせなければならないとする論文を発表した。論文は米科学誌「サイエンス」に掲載された。
 国連財団が率いている団体で、ヒラリー・クリントン米国務長官も支持している世界クリーンコンロ連盟(GACC)は、世界の最貧国の一部で屋内の大気汚染軽減への取り組みを行っている。最貧国では料理をつくる際、屋内でじか火を使用していることが多い。
 世界保健機関(WHO)によれば、このような屋内のじか火によって年間200万人が死亡しており、マラリアによる死亡数を上回っている。WHOは、環境的な死因の中で、じか火の利用はトップになっていると指摘している。
 科学者らは論文で、この状況を変えるためには、向こう10年間で1億5000万?2億ドル(約116億?154億円)をかけて調査を行い、屋内の大気汚染から最も影響を受けやすい女性の家にクリーンなコンロを設置させる必要があると指摘した。
 論文の筆者の1人である米国立衛生研究所(NIH)のウィリアム・マーティン博士は、呼吸器、循環器の病気、それにがん発生リスクのほか、妊婦や新生児を含む子どもの健康といったライフサイクルに関連する問題についても調査する必要があると指摘した。
 モスクワ滞在中の同博士は、電子メールの質問への回答の中で、「家庭内の大気汚染に関する健康リスクを低減する上で、女性の果たす役割は決定的だ。女性はほぼ常に、新技術を用いたコンロの最終ユーザーだ。コンロがその女性のニーズを満たすものでなければコンロ自体が使われず、それで話はおしまいになってしまう」と警告した。
 最貧国などで使われているじか火のかまどは、コンロと呼ぶにはほど遠い。薪(まき)がくべられた火の周囲に平たい石を3つ置いて、その上に鍋を置くだけという形のものが多く、屋外に煙を出すための煙突もない。
 報告書によれば、最貧国に住む女性や子供は日中、家にいる傾向があるため、じか火の煙から健康被害を受けるリスクが最も大きい。しかも薪は女性や少女たちが集める場合がしばしばで、村から遠く離れたところまで行って採集するため、身の危険にさらされる。効率的なコンロにすれば、必要な薪の量も少なくて済み、薪を集める際の身の危険も軽減できる、と報告書は指摘している。

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